「人間ipod」即興アレンジができる自閉症サヴァンの天才ピアニスト

この世には時として素晴らしい才能をもって生まれてくる人々がいます。デレク・パラヴィチーニもその内の1人です。 しかし、彼の人生のスタートは決して楽なものではありませんでした。予定よりも3か月も早く生まれてきたデレクは、脳に重い障害を負っていました。現在のデレクは盲目であり、重度の自閉症を抱えています。周りとのコミュニケーションが苦手で、自分で服を着替えることもできません。人の助け無しでは生きてはいけない小さなデレクの将来を、両親は心配しました。

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しかし両親は同時に、デレクが特殊な才能を持っていることに早い段階で気付いていました。小さい頃から音や音楽に強い興味を示したデレクは、気がつけば家にあったエレクトーンを独学で演奏するようになっていたからです。

転機が訪れたのはデレクが5歳の頃。母が彼を視覚障害者のための学校見学に連れていった際、デレクの耳にはいってきたのは校舎から流れてくるピアノの音でした。

Flickr/Vince Alongi

その心地よい音に引きつけられるようにデレクはピアノのある部屋へと入っていったそうです。そのままピアノに向かって椅子を引いて座ったデレクにある変化が起こります。姿勢がすっと伸びた彼からは、落ち着きと自信さえ感じられたといいます。それは母親も知らないデレクでした。

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デレクの指が鍵盤に触れた突端、全てが明らかになりました。鍵盤の上を軽やかに踊る彼の指がメロディーを奏でたのです。そのままピアノの側を離れようとしない彼を見て、息子にはピアノの教師が必要だということを母親は確信したといいます。そしてデレクの非凡な才能は、すぐに見出されることになります。 

デレクの音楽教師となったのは、アダム・オッケルフォードでした。はじめは週1だったのレッスンもやがて週7になり、デレクは数ヶ月のうちに難解な課題曲を次々とマスターしていきます。デレクは絶対音感と、天才的な音楽の才能を持っていたのです。

その後、7歳で初のコンサートを開き、その2年後にはイングランドを代表するオーケストラRPOポップスと共演、わずか9歳でバービカン・ホールの舞台を踏むことになります。

デレクは、ごく特定の分野に限って優れた能力を発揮することで知られる「自閉症サヴァン」です。

彼は低音域から高音域までを聞き分ける普遍的な絶対音感を持ち、一度耳にした音楽を忘れずに記憶し、それを瞬時に思い出して正確に再現することができます。

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そればかりではなく、デレクは曲を全く別のリズムやスタイルに瞬時にアレンジして演奏することができるのだとか。

例えば、ジャズのナンバーをポップに編曲するなど、注文に添った即興演奏もお手の物。練習だけでは手に入れることができない、驚くべき創造性を合わせ持せていることが分かります。

定期的に行なっているコンサートでは、観客からの注文を瞬時に再現するスタイルが人気を集めているそうです。

Facebook/derekparavicini

デレクは、現在世界でも最高の技術をもったピアニストの1人であると考えられています。その業績が高く評価され、数年前には名誉博士の称号も受け取りました。学習障害を持つ人では、世界初の快挙です。

生まれてきた時には想像すらできなかった今の彼の活躍は、両親にとって大きな喜びと誇りだといいます。彼の音楽、そしてピアノに対する情熱は彼が椅子に座った瞬間に伝わってきます。

Facebook/derekparavicini

デレクの演奏を聞いてみませんか?

素晴らしい話ですね。デレクのストーリーにあなたも心を動かされたなら、友達や家族とシェアしてください!

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