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医師が警鐘:意外と知られていない赤ちゃんの「うつ伏せ」の危険性

疲れ切った様子の若い父親が新生児の娘を胸に乗せてうたた寝をしています。子供を持つ親にとっては馴染み深い心温まる光景です。しかしこの一見何ら当たり障りがないように見える状況に、実は新生児にとって非常に深刻な事態をもたらしかねない危険が潜んでいるのです。

生後4週目の息子を胸に乗せたまま眠りに落ちてしまったサム・ハンク博士は、あまりにも悲しい結末によってこの行為の危険性を知ったのでした。

「ソファに座って息子のチャーリーを胸に寝かせて状態でテレビを見てたんだ。そのまま居眠りをしてしまって2時間後に目覚めると、チャーリーはもう息絶えていた」とサム。

サムの息子チャーリーの死因は乳幼児突然死症候群(SIDS)でした。医師らは呼吸の乱れによって酸素欠乏と心拍低下が引き起こされたたことが直接の死亡原因であると考えています。新生児が掛布をかけた状態でうつ伏せ寝をすると窒息のリスクが高まるのです。

チャーリーの死から1年後、同じような悲劇が繰り返されることのないよう願って両親は新生児のうつ伏せ寝の危険性について情報発信する団体Charlie’s Kidsを設立しました。乳幼児突然死症候群のリスク軽減のためにも以下の注意事項を提唱しています。

– 新生児は必ず仰向けに寝ること

– 新生児は柔らかすぎるマットレスは避け(顔が埋もれることを防ぐため)、固めの平らなマットレスで眠ること

– 新生児は掛布ではなく専用のスリーピングバッグのみを使用すること

– 枕、ブランケット、その他のカバーなどはベビーベッドに置かないこと

こうした注意喚起の成果もあってか、新生児の死亡率は着実に低下しているそうです。就寝中の親の胸の上で眠りにつく生後間もない赤ちゃんの姿は確かに可愛らしいかもしれませんが、現実には避けた方が良い状況なのです。

赤ちゃんがうつ伏せではなく仰向けで眠っているかどうか、赤ちゃんを寝室に残す際や自分も眠りにつく前にいつも必ず確認することが大切です。今後こうした悲劇が起こらないよう、多くの親にこの情報を知ってほしいですね。