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ジーンとくる話

7歳の女の子は一通の悲しい手紙に箱に入れ、子犬を捨てた。

メキシコでは、街中にあふれかえる野良犬や野良猫などが大きな問題となっています。人々の生活のすぐそばで、何百匹もの動物が、飢えや病気と闘いながら疲れ果てた様子で街をさまよっています。

一方、こうした危険と隣り合わせで都市に生きる動物たちに対して保護活動を行う団体や個人は、メキシコ国内にも多く存在しています。その多くは非営利の慈善団体で、動物を愛する個人と獣医などが参加しています。

こうした動物保護活動に共感したメキシコ・ティファナに住むパティ・スアレとナリー・ラミレスは、自らも動物保護団体を設立しました。この団体を通して多くの不幸な野良犬たちを保護してきた2人でしたが、ある出来事に大きなショックを受けます。

ある日ナリーが外出しようと玄関のドアを開けると、小さな箱に入った犬が捨てられていたのです。箱の中にはメッセージも入っており、それを読んだナリーはすべてを理解し、思わず涙を流しました。

「こんにちは、私はジャスミンです。この子はクリスタリータ。
あなたが身寄りのない動物たちを保護する活動をしていると聞いて、あなたの家にこの子を置いていくことにしました。
私はこの子を飼いたかったんだけど、パパとママはこの子が雑種だから飼いたくないと言われました。パパとママには外に捨ててこいって言われたけど、やっぱり外は寒いし、食べ物だってないかもしれないから、それならあなたにお願いしようと思いました。
私は今7歳だから、この子を飼えるお金がありません。この子の世話をお願いします。一緒に8ペソを入れておきます。私のお小遣いです。これでこの子に美味しいものを食べさせてあげてください」

ナリーにとって、こんなか弱い子犬を血統書のない雑種だからという理由で捨てるという心無い行為は全く理解できないものでした。そしてこの手紙を書いたジャスミンは、小さなクリスタリータの入った箱を抱えて涙を流しながらナリーの家まで来たに違いありません。幼い少女の気持ちを思うとナリーは涙が止まりませんでした。

ナリーはクリスタリータを保護することを決めました。とはいえ彼女自身は飼うことができないため、獣医で健康状態のチェックを受け、準備ができた段階で引き取り手を探すことにしたそうです。幸いすぐにクリスタリータに一目惚れした家族が見つかりました。

しかし、残念ながらこの悲しい手紙を書いたジャスミンを探し出すことはできませんでした。

ナリーは、このエピソードがジャスミンや彼女の両親の目に止まればとソーシャルメディアに投稿しました。ひょっとしたら彼女の両親が過ちを犯したことに気づくかもしれません。そして血統書付きかどうかは関係なく、ペットはみんなたっぷりの愛情を受けて生きる権利があるということも。

幼い少女の優しい心のおかげでクリスタリータが新たな家族と幸せをつかむことができて良かったですね。