40歳の花嫁は、2年前に亡くなった息子のために空席を残していた。しかし挙式に現れた人物を見た瞬間、感極まった。

2年前、アメリカ・アラスカ州に暮らすベッキー・ターニー(40歳)は、当時まだ19歳だった息子のトリスタンを失うという人生最悪の日を経験しました。 苦痛に耐えながらも、ベッキーは生きるよりほかありませんでした。

その息子の死から2年後、ベッキーは最愛の男性、ケリー・ターニーと婚約します。そして迎えた結婚式当日、ベッキーは会場に、次のメッセージを添えて亡き息子のためにひとつ席を用意することにしました。

「あなたの挙式の日、天国にいる僕はどうしたらいいのだろう?僕はきっと地上に降りて、この日をあなたと一緒に過ごしたい。だから椅子を一つ、席を空けておいてください。目には見えないかもしれないけど、僕はそこにいます。(この席は花嫁の亡き息子のために空けています)」

しかし花婿のケリーが、この日のために用意していたサプライズにベッキーは文字通り言葉を失います。

挙式が始まる数分前、ケリーはベッキーに紹介したい人がいると伝えました。その人は21歳のジェイコブ・キルビーという青年で、サン・ディエゴからベッキーに会うためだけに飛んできたといいます。

ジェイコブを目にした途端、ベッキーの涙が次から次に溢れてきます。このジェイコブがどんな人物なのかを、すでに悟っていたのです。

トリスタンの死後、ベッキーは移植を待つ人々のために息子の臓器を提供する決断をしました。これにより、5人の命が救われました。

そのうちの1人が、2015年10月にトリスタンの心臓を受けとったジェイコブだったのです。

ケリーは、ジェイコブとベッキーの対面を何ヶ月も前から準備していました。ベッキーの人生の大切な日にジェイコブが出席してくれれば、トリスタンの一部、つまり心臓もそこに同席できると考えたのです。

2人の対面は、言葉で言い表すことのできない瞬間でした。ベッキーは聴診器を使って息子の鼓動に耳を傾けました。

トリスタンはもう生きていませんが、トリスタンの心臓がベッキーのすぐ隣で脈打っていました。ベッキーはその時の気持ちを次のように語っています。

「頭がおかしくなったかと思った。まるで小さな女の子みたいに叫び声を上げてピョンピョン跳ね回って。信じられなかった。こんなに驚いたこと今までになかった。私が全然気がつかないうちにこんなことを企画してくれていたなんて、本当にびっくりした」

ジェイコブは左心低形成症候群と言われる致命的な先天性の心臓疾患を持って生まれました。わずか2歳で最初の移植手術を受けた頃には、すでに3回も手術を受けていました。しかし2015年、心臓の状態が悪化し、ジェイコブ心臓発作を起こしてしまいます。その年の10月、トリスタンの心臓移植手術を受けたのです。手術は見事成功、ジェイコブは現在、健康的な生活を送ることができています。

「誰もがこの世に何かを残していくけれど、トリスタンがジェイコブの人生をこれほどまで変えたというのを目にするのは信じられないことです。本当に息子を誇りに思います」とベッキー。

ケリーは、妻へのこの贈り物で他の人が臓器提供を考えるきっかけになればと願っています。

「臓器提供は他者に対する最高の無私の行為ではないでしょうか。そして提供者の家族と移植者が連絡を取り合うことも勧めています。お互いのコミュニケーションで心の傷が癒えていくからです」ケリーは言います。

一方、ジェイコブも、移植者と提供者の家族の間には不思議なつながりを感じているようです。挙式に出席してほしいと頼まれたとき、ジェイコブは一瞬も迷うことなく行こうと決心したそうです。

「永遠に続く絆だと思う」21歳のジェイコブは言います。

ベッキーとケリーの挙式の後に、参列者の頬が涙に濡れていたのはもっともでしょう。

親にとって子供を失うというのは何よりも大きな打撃ですが、ベッキーは新しい夫のおかげで、人生で一番大切な日に息子の心のそばにいることができました。

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