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手のひらに絵を描いた女性。すぐさま警察が出動したのは何故?

※DVの被害に遭われている方はまず、電話だけでなくSNSチャットやメールでも相談できるDV相談+のご利用をおすすめします。ブラックドットキャンペーンは、ソーシャルワーカーや警察、医療関係者が正式に採用しているものではありません。また被害者が密かに助けを呼ぶ方法として考案されたこのアイデアは、ソーシャルメディアでの認知とともにもはや「密かに助けを呼ぶ手段」とは言えなくなっているのも事実です。

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絶望的な状況にいた女性はある日、ネットで少し変わった運動について知りました。半信半疑ながらも、女性はこの写真を撮ってソーシャルワーカー宛に送りました。

すると次の日、玄関先に警察が現れます。彼らはためらうことなく、女性の夫をその場で逮捕しました。

女性には、4人の子供がいます。その子供たちの父親であり、人生のパートナーであるはずの夫から、女性は殴られるなどのDV(ドメスティック・バイオレンス)を受けていました。

長い苦しみに終止符を打つきっかけとなったのは、あるイギリス人女性が始めた運動でした。自らがDV体験者である運動の創設者の女性は、DV被害者が無言でも誰かに助けを求める事ができる画期的な方法を思いついたのです。

DV被害者が手のひらに小さな黒い点を描くことで、1. 緊急時や危険な状態にいる時に周りに無言で被害にあっていることを訴えることができる、2. 助けを必要としているのに声をあげられない犠牲者に周りが気づくことができる、というもの。

迅速な警察への通報などによって最悪の状況を回避し、被害者たちのDVからの解放を目的としています。

DV被害者の多くは、恐怖から助けを求めることすらできない状況に場合があります。自分や子供達をさらなる危険さらすのではないかという恐怖感が妨げになっている場合や、世間の目や体裁を気にして通報出来ないという現実もあります。

「ブラックドットキャンペーン」と名付けられたこの運動を始めたイギリス人女性は、運動の創設にあたって匿名で、「多くの人は助けを求められる相手を持っていません。無言のまま苦しんでいるのです」と切実に訴えました。

「End the silence of domestic violence (声なきDV被害を無くそう)」

ブラックドットキャンペーンはその後ソーシャルメディアで世界中に広まるとともに、DVの被害者がおかれる実態の認知向上につながりました。しかし、このキャンペーンはソーシャルワーカーや警察、医療関係者が正式に採用しているものではありません。

また被害者が密かに助けを呼ぶ方法として考案されたこのアイデアは、ソーシャルメディアでの認知とともにもはや「密かに助けを呼ぶ手段」とは言えなくなっているのも事実です。

実に世界の女性4人のうち1人が人生の内で一度はDV被害を受けると言われています。その内の60%のケースは家庭内で発生します。これは目を背けてはいけない恐ろしい事実です。

DVを受けている、または受けているかもしれないと思う方は、SNSのチャットやメールでも相談できるDV相談+を利用してみてください。電話とメールなら24時間いつでも相談できます。電話、SNSチャットやメールでの相談はこちらから。

プレビュー画像:©︎Facebook/Black Dot Campaign