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96時間に渡るお産、生まれてきた息子のポーズがすごい。

米国ワシントン州ブレマートンに暮らすエンジェル・テイラー(33歳)は出産を間近に控えていました。今年の3月5日、夫ジャスティンと産婦人科へ定期検診に行ったエンジェルは、担当医から予期せぬ宣告を受けることになります。血圧が異常値に達しており母子ともに危険が及ぶリスクが高いため、予定日の一週間前であるその日に出産する必要があると告げられたのでした。

今日、これから出産という急な展開に驚くあまり、プチパニック状態のテイラー夫妻。

「まだ車にチャイルドシートを取り付けてもいなかったし、出産入院の荷造りも準備できていない状態でした」

しかし一刻を争う事態、産婦人科から出産を予定していた病院へと早急に向わなければいけない夫妻に、出産前の準備を全てする余裕などありません。必要最低限の物をカバンに詰め込み、病院へ。病院に着くとすぐに待ち受けていた医師から陣痛促進剤が投与されました。

過去に2回の出産体験があったものの、いずれも帝王切開による出産であったため、子宮破裂を回避するために医師らは細心の注意を払う必要がありました。そのため、陣痛促進剤はごく少量しか投与されず、陣痛は微弱なまま、なかなか強くはなりませんでした。とはいえエンジェルにとって、本格的な陣痛の訪れをひたすら待つこの過程は、まるで終わりのない苦痛に耐える試練そのものでした。

「あまりにも長く時間がかかる上に激痛に耐え続けなければいけないので、精神的にも参ってしまいそうでした」

懸命に激痛を堪えるエンジェル。通常、自然分娩では子宮口は10cmで全開となり赤ちゃんが通る事ができるのですが、エンジェルの場合、陣痛に3日間耐えても子宮口はたった4cmしか開きませんでした。それでも赤ちゃんのため必死に陣痛を乗り切ろうとするエンジェルでしたが、翌日の晩、すっかり疲労し健康状態が悪化したため、医師らは緊急帝王切開手術に踏み切りました。

お腹に傷跡は残ってしまいましたが、医師の見事な手術措置により午後11時24分、息子サリバンが無事誕生しました。初めてこの世に生まれ出たサリバンは、その小さな腕を大きく広げたなんともドラマチックなポーズで周囲を驚かせました。夫妻が依頼していた出産フォトグラファーがその瞬間を見事にカメラに収めました。

3人の子供の母となったエンジェル。この美しい母子の瞬間を捉えた写真は単にサリバンの誕生の記念としてではなく、母エンジェルにとって妊娠期間の胎動を思い出させる一枚でもあります。

「この子はいつもお腹の中で脚や腕を伸ばしたり、ストレッチしていました」

産後数日の入院ののち、母子は無事に退院することができました。

新たな家族の一員が加わり、5人家族の暮らしにもすっかり慣れたテイラー一家。赤ちゃんのサリバンは現在もストレッチが大好き。しょっちゅう手足を伸ばしているのだとか。