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日中、彼らは普通の男の子。でも夜になると体が変化する!

パキスタンに暮らす9歳のアブドゥル・ラシードと13歳のショアイブ・アハメドの兄弟は、誰も聞いたことのないような謎の病気に悩まされています。彼らは日中の間、とても活発に遊びまわります。

Youtube/Barcroft TV

ところが、日が落ちたとたんに、彼らは植物状態になってしまうのです。2人は完全に身体全体が麻痺したように動かなくなり、しゃべることもできないのだといいます。

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2人の父親は彼らを「ソーラーキッズ」と呼び、2人が太陽からエネルギーを吸収しているのだと主張しています。しかし、彼らは日中であれば暗い部屋の中や陰になった場所、あるいは嵐の日でも問題なく動き回ることができたため、この説は否定されました。

パキスタン医療科学研究所で薬学教授を務めるジャヴェド・アクラム博士はこう話します。「2人に起こる現象は、私たちが解決しなければならない大きな課題です。彼らが日中は活動的なのに、なぜ日が落ちたとたん目も開けられなくなり、話したり食事したりすることもできなくなるのか、我々医師たちによる調査は継続中です」

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父親のモハンマド・ハシームは絶望感を感じていました。医師たちもわからないとなると、一体この現象は何なのか?彼は、この問題の原因は2人が黒魔術をかけられたために違いないと考えました。そこで彼は息子たちを連れ、民間の占い師の元を訪れて治療してもらおうとしました。医学ではなく宗教的な力で解決できるのではないかと考えたのです。

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しかし、何を試しても効果はありませんでした。2人の兄弟が普通の生活を送ることができるよう救ってくれる人はいなかったのです。

合計300回以上にも及ぶ医療検査を徹底的に受け続けた現在、医師たちは問題が遺伝的なものであると確信しています。2人の両親はもともといとこ同士で、さらに彼らの6人の子供たちのうち2人がすでに同じような症状を経て幼くして亡くなっています。唯一、娘だけは何の問題なく健康とのことです。

残念ながらこの病気の治療法は現在も見つかっていませんが、医師たちは必死に原因を探し続けています。現在医師たちができることは両親に、出生前に検査を行い、胎児に問題もないということが証明できるまでは新たな子どもは作らないほうがいいとアドバイスすることだけでした。

一方アブドゥルとショアイブの2人ですが、治療が少しずつ効果を見せるようになってきており、それによって彼らの生活も改善されてきているといいます。

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治療の結果、2人は午後10時ごろまでなら活動を続けられるようになったそうです。これまでは日没とともに身体が麻痺状態になっていたことを考えれば大きな前進と言えるでしょう。「彼らは著しい改善を見せています。この調子で治療を続けていけば、彼らの問題が完全に治療できる日も遠くないのではと考えています」父親は話します。

奇妙な悩みを抱えながらも、2人の少年たちはすくすくと成長しています。彼らは、毎日病院で食べる食事、そして医師やメディアからの注目が楽しくて仕方ないのだそうです。2人はまた、将来のことも前向きに考えることができるようになったそうで、ショアイブは教師に、アブドゥルはイスラム教の指導者にそれぞれなりたいという夢も持っています。

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「ソーラーボーイズ」の物語は、この動画でご覧頂けます(英語のみ)。

困難を抱えながらも、アブドゥルとショアイブは前向きな気持ちを失うことなく、いつか医療が彼らの問題を解決してくれるという希望をもって日々を過ごしています。幸いなことに、兄弟を担当しているのは非常にモチベーションの高い医療チームです。いつか2人が完全に回復できる日が来ることを願っています。